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笑える鬼才:フランツ・カフカ

      2020/03/29

やられた・・。

かのフランツカフカをこんな風に世の中に送り出してくれるなんてやってくれたな・・。
絶望名人カフカの人生論

IMG_1526.JPG

ここに描かれている
フランツ・カフカ
とは、チェコ出身のドイツ語作家です。

孤独と不安に押しつぶされながらもカフカが41年という短い一生を彼なりに奮闘し、生きた人生を綴ったような作品「変身」が有名な作品です。

フランツ・カフカ 変身

この「変身」という本は、
ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっていた男グレーゴル・ザムザがその姿で何も変わらない自分のありふれた日常を過ごす話です。
虫の姿になった事への疑念はなく、その先の日常としてすべき行動をこの体で送る方法だけを考え、邁進していき、そこに関わる人もその「虫」相手の非日常に感情をぶつけていく・・というレポートのような作品です。

この衝撃的作品は、設定もさることながら、この書き方にあります。サスペンス小説ならば「虫になってしまった自分」の原因を探り、謎を説き、何かの問題を解決しながら元の姿に戻ることをゴールに生きていき、そのストーリーこそが描かれていると思いませんか?なのに、カフカはただその事実がそこにあって、受け入れる以上に、自分にはその姿こそがちょうどいいと言わんばかりに不自由さも周りの反応も事実としてレポートしてあります。

 

“文学作品”とはその作品を通じて誰かに何かを伝えるとか、訴えるとかそういうものではなく、“感性を体感するもの”だと思ったのは私がこのカフカの作品に出会ってからです。
私は15年以上前にこのフランツカフカを専攻し、ドイツ語で一生懸命読みました。ドイツ人の先生は怖かったけど、私がこの作品を通じて感じた“孤独に対する美しさ”という感情は“まあ良いでしょう・・”という承認をもらった気がします。

 

そんなカフカ様を捕まえてこれはびっくりよ!!!
なんだよ~この本は~!

 

◆内容紹介◆
誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰より前に進もうとしなかったカフカ。
その”絶望”を編み、幅広い世代からの共感を集めた『絶望名人カフカの人生論』を、誰よりもブッ飛んだ作風で知られるマンガ家/イラストレーターの平松昭子がコミカライズ。
あきれながら共感し、笑いながら泣けるマンガ!
※amazonより

 

この漫画のタッチもバツグンにカフカですし、彼の注目の人柄をそんな風に表現できるなんて・・。「鬼才」をこんなにも面白おかしく、共感できる要素満載にして世に送り出せるって・・すごすぎる。やられた~。ネタにできる強さと愛情もあって、フランツカフカ好きな私としてもすごく嬉しい作品でした。太宰治をすごい笑いに変えるなんてことは恐ろしいけど、カフカだったら良いんだ笑。

海外の小説はどんなに翻訳が素晴らしくても読みにくいです。文章のつながりとか、伝わりやすさとかわかりやすさとかそんなの無視して文章の羅列の思考についていくのが大変です。一方的感がすごくて、読者を巻き込むとかそんな誰かに向かって書かれたものではないからかもしれません。でもこの漫画と短編説明(?)を読むと、やっぱり人間が書いたものなんだな・・と思います。

この作品は「変身」という小説を漫画にしたものではなく、カフカそのものを漫画にしたものです。

5年間で幸福だったのは5日間と思うほどのネガティブな毎日。
生活費のための仕事はしたくないという癖に、夢を追っているかというと、一番の理想は「閉ざされた地下の一番奥の部屋にいること」。そしてじゃあ引きこもるかというとそれもできずにちゃんと真面目に目の前の生活費のための仕事をしている・・。
健康のために菜食主義と小食で過ごすも、体を壊す・・。
手紙交換でしか恋愛はできないし、会うなんて恐ろしさでつぶされてしまうくらいなのに婚約を3回もしている・・が3回とも解消。
幼い頃から自殺願望はあれど、「自殺するだけの勇気や能力や実行力があるならそもそも自殺する必要もない」という折り合いをつけている。

面白いでしょ。変でしょ。そうやって笑える作品として世に送り出されたことが最高ですね。
ぜひ。笑ってください。

あまりにも自分が真面目すぎて、ほんっと面白くないやつだな、自分。。と同時に思いました・・。15年前にこの作品に出会っていたら私はあの怖すぎるドイツ人の先生に日本文学との新しい融合の部分で何か物申すことができていたかもしれない・・と思ってしまうのも面白くないな、私。庶民ですから良いんですけど、もうちょっとくらい面白いこと考えられたら人生楽になりそうだな。そうカフカよ、あなたもこんな風に笑えた人生もあったかもしれませんよ・・・。この時代にいたら・・。

この本を通じてカフカをみんなで笑ってください!!ほんっと面白い人ですから。

Twitterやってます。

A8

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