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不倫のその先にあるもの・・ドラマ《昼顔》

      2016/02/23

ドラマ昼顔

井上由美子さん脚本のドラマ。

ついに最終回を終えましたね・・。
私はチームの会議の前に空気を暖める意味で雑談をするのですが、ここ最近はもっぱらこの「昼顔」トークでした。こういうのに関する価値観や考え方はものすごく特徴が出るので面白かったです。

 

さて。大ブームが巻き起こりました。
でも、研ぎ澄まされた世界がつくられているこの作品はブームという枠を超えていると私は思います。

誰もが目を留めるブームが巻き起こる話題性・インパクト・高視聴率・・・確かにそれは事実なのですが、“その流れの中には飲まれないでほしい!”と思う逸品です。逆に毛嫌いして観なかった方もいると思いますが、ぜひそういう方にも見てほしい作品です。

 

痛烈な「社会批判」のドラマだと思います。

私はドラマというより空気が映画を見ている感覚でずっといました。

映し出すものすべてが深くて人間の葛藤やものすごい奥の部分まで見えて立ち止まっても進んでも苦しい心に大きなゆさぶりをかけられました。

 

私は夜22:00放送だったこのドラマを録画して、早朝に起きて出勤前に見ていました。というのもあって、夜ならではの感覚とは違ったのかもしれませんが・・。

 

「女性が不倫という道を選択する」というテーマ性の先に、「経済力がない女性のアイデンティティを取り戻す」というもがきに見えて、私には苦しくて悲しい物語に見えました。

 

不倫に走る理由は「市場価値の確認」だと思います。女性であることの市場価値がどうしてもわからなくなり自信がなくなる。でもそれを旦那に対して求めても旦那はもうその気持ちのステージにはいない。だから他人でそれを測ろうとする・・。

 

恋愛は自己肯定感を強くするもっとも効果的な方法だと思います。結婚生活で失われた自己肯定感を取り戻している苦しみと葛藤がストーリーと直接関係のない生活シーンや情景にたっぷり表現されて、それについ女性の歩き出す事への応援をしたくなってしまいます。

 

結婚すると自分の存在は「役割」に合わせる必要があります。そして、自分自身を満たすものがその「役割」の中で得られるものと必ずしも一致しているとは限らない。

 

だから恋愛と結婚はやっぱり違うものなのかもしれない・・。
まさに「相手の欲しいものが自分のポケットに入ってない・・」「自分の欲しい物も相手のポケットには入っていない・・」と思う瞬間に、その探し物を持っている人を見つけてしまった瞬間に・・進むのか、留まるか。

 

 

結婚は「役割」に苦しみます。

そしてその「役割」におけるそれぞれの理想、自分自身が思い描く理想も含め、重すぎます。

「母親」「妻」は期待を背負った生き物で、時に自分とは別の人格にしておかなくてはその期待に潰されてしまうのです。でもその別の人格の方が割合がどんどん大きくなって、本来の自分を出す場所がわからなってしまう時がある。そこに刺激という恋愛が飛び込めば良い逃げ場になる・・そういうことなのかもしれません。

 

最初は逃げ場だった恋愛を通じて「もう一度人生はやり直せる、自分が本当に実現したいことを自分の手で、違う相手と共に・・」とその先の人生を選択する瞬間は「自分を取り戻す」ではないかと感じています。

 

そして、描き方が「不貞」という環境の中にあるのにその中で描かれる「究極のピュアさ」。

そして、男女それぞれが「性」を取り戻したい強さを隠し切れない。それがエロさにつながっているんだと思いました。

 

 

また、「旦那が不倫に走ってしまう経験をする妻」は、他人事じゃない・・。

と感じた女性も多かったのではないでしょうか。

 

「デキる女が男の自信を奪っていた・・その自信を取り戻せる相手と不倫する。むしろもう一度彼なりに家庭での男として生きる選択に希望を持とうとした・・」

その意思はまさに今のこの世の中のトレンドなのかもしれません。

以前は、「専業主婦が、旦那に浮気される。その浮気相手は会社の仕事がデキる女」だったのに、「デキる女性が旦那に浮気される。その浮気相手はパートの主婦。」ここにも女性の社会進出のひずみが・・。

 

その事を知った後のデキる女性の「朝まで議論」が苦しくもあり、夫婦として問題に向き合ってるここからもう一度何か新しい関係性を築けるんじゃないかと思えました。

 

一方で妻を「女」として大切にする努力をしなかった夫が妻に浮気される現象は、本質的に「今まで何にもちゃんと向き合ってこず、事なかれ主義を貫き、浮気されてもなおその主義で通そうとしたことがその先の人生を一緒に歩いていくことができないという決定打になったんだと思います。

 

本当の修羅場を現実味たっぷりに細かく描かれているこの作品の訴えるパワーはすごかったです。

 

 

登場人物全員が魂を最大すり減らしています。

全力でズタズタです。そして、不倫における男女の視点の違い・・。

 

男性にとっては「不倫はどんなに当人同士が本当の愛だと思っても不倫の域を超えない」ということを本能的に理解している気がします。
女性との関係性が決してすべてだと思えないのが男性ではないかと。

結婚し、関係者が増え、子どもがいればなおさら役割は重く、取り巻く人の期待は大きく、裏切りを受けた時の感情が溢れ、自分の想像を超えた出来事が起こり、傷つけ合う。その上でその先に進む選択をして恋愛成就になんの意味があるのか?と冷静に見えるんだと思います。

 

本当の愛に出会って自分は新しい人生を選び、それを実現できると信じていた女性に対し、その先を男性が望まなかったという事実。
これを受け入れれずになんとなく「うまく行ってほしかった・・・」と思ってしまった私は、主演女優のパワーだと思いました。

 

主演は上戸彩さんです。こんなに可愛くてまっすぐな女性がいるなんて・・と驚きました。もちろん大女優さんといことは知っていましたが、彼女の作品をちゃんと見たことがなく・・。全ての言動と表情が愛しくて苦しいくらいの感覚でたまらなかったです笑

 

結局、結婚という生活の中から逃げたその先では問題は解決されない。

逃げ場なんて逃げてるだけです。問題が起こっている関係や環境の中でしか問題は本当には解決しません。

 

問題の先送りでしかない。。

 

結婚したらその家庭の中の問題はきちんと向き合って解決するしかないってことですね。逃げ場の恋愛はどんなに本気に思えても、1つの組織に属している以上、別の組織を持とうとすることの意味にいろいろな雲がかかって、自分の選択もまともではなくなってしまいます。

 

結婚している方もしていない方にもおススメです!!

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