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読書感想文でイタリアへ行こう。

      2018/05/22

学生のみなさん、夏休みの宿題、進んでいますか?
読書感想文はもう終わりましたか?

読書感想文を自動的に作成してくれるツールがあると聞いて、思わず書きたくなった事を書きます。

読書感想文はイタリアへの切符

私はこれでイタリアに行きました。

新入社員の時に、会社で「全社員参加の論文大会」があったんです。事業に関連するいくつかの本を選び、その本から学んだ事と、「自社の事業でどう活かすか?」「具体的な新規事業、サービスを立案する」事を含んだ論文という課題が出ました。

この論文で優秀と選ばれた10人が海外研修という名の「海外旅行に行ける」というニンジン付きでの課題でした。

全社員やる気なし・・

その時会社は壮絶な忙しさで、“どれだけ寝てないか自慢”が流行るくらいの日々でした。この論文の課題が発表された全社会議での場の氷り方ったら凄かったです。

それも「読書の秋にちなんで・・」という流れでこんなものを放り込まれたんでは更に「しーん」としていました。

つまり、「こんな時に・・何?」「この論文大会なんて誰がちゃんとやるんだよ・・」「海外旅行と行ってもどうせ休みとれないし・・」「海外とか言って、結局飛行機1時間で行ける海外レベルだろう・・」「会社がお金出してくれても会社の人と行くなんてどうでもいい・・」という口にされない言葉がみんなの頭の上に浮かんでいる空気でその場は満たされていました。

期限は2週間・・

あっという間に提出日が近づき、社員たちは「前日徹夜」を覚悟して論文を書くスケジュールを予定していました。まるで夏休みの前日に宿題をまとめてやる学生のように。

だた、社会人ですし、インターネット検索で何でも情報が手に入るようになってきた頃。当然のように皆インターネットに載っている情報を掻き集めてコピペの連続で論文作成しました。

良い感じのサイトを見つけたら皆にシェアするという人まで出てきました。とは言っても、まだまだインターネットで情報が手に入ることが新鮮な時代でしたので似たり寄ったりなサイトが拡散されたわけです。

一方、私は就職活動で必要になって初めて家にインターネットを引いたし、その後は会社だけでインターネットを使えれば良いと家のネット回線は解約してしまっており、もちろん会社で論文を書く時間なんてありませんでしたので、家のパソコンでWordで書くのが精一杯なアナログ世代のままでした。

そして、本を選ぶといっても、amazonで検索して同じジャンルの本を何冊か買い、明日届くなんてことももちろんその当時はありませんでした。

だから、私はたくさん本を探せる図書館に行き、読んで、ざっと手書きでまとめた文章をWordに清書するしかなかったわけです。インターネットを駆使してより早く、分析し終わったそれっぽい情報も手に入れられないまま必死に書きました。

もうその論文の内容は覚えていませんが、とりあえず入社半年の私が書く論文なんて机上の空論感満点だったと思います。

しかし結果は・・

その結果、私はなんと海外旅行を手に入れたのです。選ばれし10人の1人に。

10人のうち、私以外の9人は敏腕な方々でした。ある一定以上の役職の方は優秀者の選択肢から外されていましたが、事業を担っていく次世代の人々が連なっていました。
そこにポツリと私。私はなぜ選ばれたか。

優秀と選ばれた方々の公開された論文を見ると、まあ私以外は凄いものでした。

本をわざわざ読みなおさなくても既に必要な本、情報は揃っていて、頭で常に考えていることがそこに吐き出されていました。なかなか言えない会社の課題を指摘している部分も頼もしいとすら感じるものでした。

それに比べて私のは本当に読書感想文です。体裁や口調を論文っぽくしているだけで中身は感想文と、意思表明。朝礼スピーチ程度の文章だったと思います。
でも、私は自力で書きました。それだけです。

選んでくれたのは監査役

論文の優秀者を選考する係りの方は5名いました。その選考員が各2人ずつ選考し、かぶったら別の人を繰り上げ・・という方針でいったそうです。そこで私を選んでくれたのは監査役のおじいさんでした。

当時の私にはおじいさんと思えるほど優しい方でした。いつも席に座って、新聞を読み、「姿勢を正して朗読するのが日課!」と言わんばかりに朝から監査役室からこのおじいさんの朗読する声が聞えてくることもありました。そのおじいさんが私の論文を選出してくれたのです。

私はそれを知って、監査役に初めて声をかけてみました。

「選んで下さったと聞きました。ありがとうございました。これからも頑張ります。」と。

すると監査役のおじいさんは言いました。

選んだ監査役との会話

「あのね!あなたのは、ちゃんと書かれていましたよ!」と。

「論文が選ばれる人なんてみんな、“どーせ凄いやつが選ばれるから勝てない”と思ってるでしょ。だから適当にやってくるでしょ。

他の選考員は正しく論文を評価し、結果次世代のリーダー達の論文が先行されるのは事実で、それはそれで良い。でも僕が選ぶのに同じことしてたらつまんないじゃない。だから、面白いやつはいないかな~という視点でみんなのを読んでたんだよ。そしたらさ、それどころかなんかみんな全く同じ文章が必ず存在してるんだよね。何か?と思ってね。

本当は誰かの宿題を写させてもらってるのかと思ったんだよ。でも、そうじゃないんだってね~。インターネットでそのままコピーしてるんだってね~。そんな事できる世の中になったんだね~。僕はインターネットでその文章を調べなくてもすぐにわかったよ。

だってね、ババ抜きするときに手持ちのカードで同じものを合わせてどんどん捨てるじゃない。そんな風に振り分けて行ったらあなたのが残ったんだよ・・。」

と。

確かに、今ほど1つの検索に対してヒットする情報量も多い時代ではなかったですし、それに対して社員はたくさんいるわけですから、色んなサイトからコピーしてきても必ず誰かとどこかが同じ文章なのです。

そんなこんなで私はタダで海外旅行に行く切符を手にしたのです。

私はババだったってことです。

要するに、こうして私はトランプのババになり、海外旅行を手に入れたのでした。しかも行先はイタリア・・。

みんな驚きでした。アジア圏内だと思っていたのに~!という声を後に旅立ちました。すごいメンツでしたけど、すごく楽しかったです。
圧倒的に年下な私は、何もかもお金払わずに済みましたし・・笑

多少気は遣えど、すごくみなさん優しかったので。

夏休みもラスト1週間。
今自力で感想文を書けたら、いつかそれが海外旅行の切符になる日が来ると思います。

だからあなたも頑張って!

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